松岡日菜子 Hinako Matsuoka

松岡日菜子は1996年生まれ。
2022年に京都市立芸術大学大学院美術研究家絵画専攻を修了。

糸を紡ぐように、絵具を「行為の痕跡」として表現に転嫁する独特な作風が評価され、
「長亭 GALLERY 展 2022」(長亭 GALLERY/東京/2022)にて優秀賞を受賞。

擦りつけるように絵具を幾重にも重ねてでき上がる松岡の絵画は、絵具というよりも、松岡の体質的な何か。記憶の断片にもならないような湿度を帯びた色たちが複雑に絡み合い、彩度を失いかけつつも内側から発色する。そんな、不思議な美しさと、暖かくて優しい世界への眼差しがあります。

絵の中に登場する人物や動物、抽象画のように見えるもの達はみな、一様に微笑んでいるように見え、それも松岡絵画の特徴であり、彼女の絵画に対する思いの表れなのかもしれません。また、現実世界での「出来事」ではなく自分の行為や痕跡の集積として見えてくる「場面」から何かを感じ取ろうとする松岡の絵画表現は、彼女自身にとっての絵の在り方に対する挑戦のようにも感じられます。

松岡日菜子は今後の活躍が期待できる、感受性豊かな若手画家です。

CV

1996年生まれ

2022年 京都市立芸術大学大学院 美術研究科 絵画専攻 修了
2019年 京都造形芸術大学(現:京都芸術大学)美術工芸学科 油絵コース 卒業

個展
2023年 「穏やかなながめ」 (Gallery 子の星/東京)
2022年 「せいかつのご褒美」 (GALLERY TOMO CONTEMPORARY/京都) 

グループ展
2023年 「古い夢、壁には輝く蝶」 (スタジオニューホープ/京都)
2023年 「植木鉢のある風景展2 STILL LIFE II」 (ギャラリーモーニング/京都)
2023年 「GURA open storage」 (高島屋大阪店 6 階ギャラリーNEXT/大阪)
2022年 「長亭 GALLERY 展 2022」 (長亭 GALLERY/東京)

その他

四国電力四電文化振興財団令和2年度奨学生

Statement

場面を描いています。それは実際に起こったことなどではなくただの場面です。

現実世界で経験する事柄は常に流動的、断片的で全く全体を捕まえることができません。

たとえば、大きな池や海を覗く時、目をこらして見ても中の様子は水面から少ししか覗くことが
できませんし、目の前でこちらを見つめる素敵な彼、彼女のその中にある内臓が止まることなく、
一生懸命全身に血を送っていて、常にせわしなく 動いている。その様子もみることが出来ません。

その点、自分の繰り返しの行為だけが蓄積され続け完成する平面は、絵そのものであり
ただそれだけの場面(シーン)です。

私はそれを祝福したいと思います。

松岡日菜子