
[press release] 奥田善巳|Yoshimi Okuda |「行為としての抽象」開催のお知らせ
このたび、ビーク585ギャラリーでは6月7日(土)より奥田善巳の「行為としての抽象」を開催いたします。
本展はBEAK585では初となる奥田善巳の展覧会です。
奥田善巳は戦後美術の中で決して中心的な評価を得てきたわけではありません。
しかし今改めて奥田の作品に向き合う時、そこには現代に通じる鋭敏な問いと創作姿勢が鮮明に現れて来るようにみてとれます。
いま奥田の妻であった木下佳通代の再評価が進む中、その背後に静かに佇んでいた奥田善巳の画業にも再び光を当てるべき時が来ているのではないでしょうか。
初めて私が奥田善巳の絵を知ったのは、神戸のトアロード画廊でした。生前お世話になったトアロード画廊の石橋直樹さんが「奥田善巳は必ず評価される時が来る」と言っていたのを今も鮮明に覚えています。その石橋さんとの約束が、「画廊をやるなら奥田も紹介したらええねん、今度一緒に作戦会議をやろう」というものでした。残念ながら、その約束を果たす前に石橋さんは亡くなってしまいました。しかし、私の中ではいつかきっと自分のギャラリーで奥田善巳を紹介したいという気持ちがあり、この度ようやくそれが実現いたしました。
奥田善巳の作家としての人生は、紆余曲折あり、立体作品やインスタレーションなど絵画から離れた表現方法を模索していた時代も長く、奥田本人もインタビューの中で話していますが、度重なる挫折とともに表現を追求した作家です。最終的に行きついた抽象絵画は漆黒の地塗りの上に単色の絵の具で、ただストロークを描いていくという作品ですが、そこには激しさや、心地良さ、奥深さを感じるのです。
それは、奥田夫妻が長年追求した「存在」・「在り方」を、妻木下佳通代の死後も追いかけ続けた結果、奥田善巳がついにたどり着いた「行為」としての抽象表現だからではないでしょうか。
妻であった木下佳通代の再評価が進む中、その夫として妻の死後も挫折と戦いながら生き、「存在」というテーマに対して「行為」という表現の在り方に挑み続けた奥田善巳もとても魅力ある作家であると思います。この度の展示を出来る限り多くの方にご高覧いただければ幸いです。
奥田善巳 Okuda Yoshimi(1931-2011)
- 1931年 京都府生まれ
- 1963年 第15回 読売アンデパンダン展(東京都美術館)
- 1964年 個展(新光ギャラリー、神戸)以後個展多数
- 1965年 京都アンデパンダン展(京都市美術館)85年まで参加
グループ<位>結成 67年まで参加 - 1967年 国際青年美術家展で日本文化フォーラム賞受賞
- 1968年 中原佑介・石子順造企画「トリックス・アンド・ヴィジョン」展
- 1969年 「‘69現代美術の動向」(京都国立近代美術館)
- 1971年 第2回現代国際彫刻展(箱根彫刻の森美術館、神奈川)コンクール大賞受賞
- 1972年 第1回京都ビエンナーレ(京都市美術館)
- 1978年 「アート・ナウ‘78」(兵庫県立近代美術館)
- 1984年 個展(大阪府立現代美術センター)
- 1990年 「‘90兵庫の美術家」(兵庫県立近代美術館)’92、’96も
- 1992年 「いま絵画は-OSAKA’92」(大阪府立現代美術センター)
- 1994年 「関西の美術1950s~1970s」(兵庫県立近代美術館)
- 1996年 「21世紀への予感 日本現代美術50人展」(ナビオ美術館、大阪)
- 2009年 神戸ビエンナーレ2009 招待作家展「しなやかな逸脱」(兵庫県立美術館)
- 2010年 個展(トアロード画廊、神戸)
- 2011年 逝去
- 2013年 兵庫県立美術館「コレクション展Ⅲ〈小企画〉奥田善巳展」
- 2021年 西宮市大谷記念美術館 没後10年 奥田善巳 − ネガとポジ・空間と平面 −
奥田善巳|Yoshimi Okuda
タイトル 「行為としての抽象」
会期 2025年6月7日(土)-7月15日(火)
営業時間 12:00~19:00
休み 水曜日・木曜日
住所 〒530-0047
大阪市北区西天満4丁目5-25北老松ビル2階
TEL: 06-6232-8198
MAIL: beak585@nifty.com
HP: beak585.com