[press release] コケシスキーの個展開催のお知らせ
このたび、ビーク585ギャラリーでは11月8日よりコケシスキーの個展
『The place she used to play』を開催いたします。
コケシスキーは大学を卒業後、ニューヨークでモーショングラフィックの仕事をしていました。
帰国後もデザインの仕事を続けながら、2005年からは絵画の制作も並行して行っていましたが、どうしてもファインアートがやりたいという強い思いが湧きだし、2016年からは制作のフィールドをファインアートに移して活動をしています。
2022年には戸田建設が主催する「京橋アートウォール」にて優秀作品に選ばれて以来、京都蔦屋書店ギャラリーでの個展開催など、徐々に注目度が高まっています。
コケシスキー作品の根底にあるのは「重なり」である。
地層の重なり、時間の重なり、歴史、記憶の重なりで世界は成り立っていると考えます。
昨年初めて発表したストリートビューのシリーズは、コケシスキーが考えている時間と場所の重なりにとても近いということを発見して作品に取り入れました。
今回の個展では更に表現の幅が広がり、コケシスキーの世界が深く濃くなっています。
Statement
the place she used to play
クジラは夢を見た
ずっと昔のこと、ふたりの少女が遊びにきては、体によじ登ったり、
足をぶらぶらさせて腰掛けて、水たまりに飛び込んではよじ登り、疲れた時は、
大きな舌の上で寝ころんだ。
クジラは年をとった
少女たちは大人になって、もう誰も遊びに来るものはいなくなった。
体は朽ちていき、大きな瓦礫の塊になった。クジラは少しずつ湖の底に沈んでいった。
定点カメラのフレームに映る、ある時とある時を切り取って比べてみると、
今はもうない風景が広がっている。
時間の経過とともにフレームの中の風景はより現在の風景へと更新されていく。
こうした時間の蓄積と、地図アプリに現れる、常に最新の状態に更新される施設の
アイコンを重ね合わせることで、違う時間の同じ場所が表現可能になる。
本展示では、遊具で遊ぶ少女の風景に地図アプリのアイコンを重ねることによって、
今はもうない、少女たちのかつての遊び場を表現した。